「おざなり」と「なおざり」の違い

日本語の中には、似た感じのする用語でも明確に意味が違うものがあり、その一つに「おざなり」と「なおざり」があります。どちらも語感が似ていて、「いい加減である」という共通点がありますが、一方でどこがどう違うのでしょうか?

一般に日常生活において、適度のいい加減さは問題ありませんが、周りから「おざなり」や「なおざり」な人だと見られると、ちょっと問題があります。ここでは、意外と曖昧に使われることが多い「おざなり」と「なおざり」について、その意味や用法、違いを簡単にまとめてみました。

「おざなり」の意味と用法

おざなりは、「御座なり」とも表記され、自分で意識的にいい加減な言動をして、その場を逃れようとすることをいいます。これは、「御座敷の形なり」を縮めたもので、元々は、宴会の席(御座敷)などで、その場の雰囲気の流れのままという意味だそうで、それが転じて、意識的に努力などはせず、誠意がなく、いい加減に物事を済ませる場合に使用されるようになったそうです。

<おざなりの用例>

・仕事がつい忙しくて、おざなりな処理をした
・規制委員会の審査はおざなりで合格ありきだった
・自分の頭で考えるという作業をおざなりにしてはダメだ

「なおざり」の意味と用法

なおざりは、「等閑」とも表記され、本気でないさまやおろそか、いい加減にしておくさまをいいます。これは、無意識に物事に注意を払わない(いい加減で何もせずに放置している)さまであり、自分では意識せずに、おろそかな結果になってしまう言動に用いられます。ちなみに、その語源の一つに「なほ(直・猶:そのまま何もせずにいること)+さり(去:遠ざける)」というものがあり、今日の意味に通じる感じです。

<なおざりの用例>

・仕事がつい忙しくて、処理をなおざりにした
・生活習慣がなおざりだと、なかなか快方には向かわない
・安全を対面で確認するという大原則がなおざりにされていた

「おざなり」と「なおざり」の違い

「おざなり」と「なおざり」は、どちらも「いい加減な対応」という共通点がありますが、一方で「おざなり」が何らかの対応をするのに対して、「なおざり」は何の対応もしないという違いがあります。

●おざなり

意識的にいい加減な言動により、その場を取り繕うとすることであり、この場合、いい加減な取り組みであれ、何らかの行為が伴う。

●なおざり

注意力が欠落しており、特に意識せず、おろそかな結果になってしまうことであり、この場合、行為そのものがなされていない。

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