決済と決裁の違い

社会に出て、企業や団体、役所などで働いていると、「けっさい」という言葉をよく耳にします。例えば、「代金の決済がまだ」、「現金で決済する」、「決裁を仰ぐ」、「決裁が下りない」というように使われますが、この「けっさい」には「決済」と「決裁」の二つがあり、それぞれで意味が異なっています。

ここでは、社会人として必須知識の一つである、同音異義語の「決済」と「決裁」について、その意味や違いを簡単にまとめてみました。

決済の意味

決済は、代金や商品・証券、または売買差金の受け渡しによって、売買取引を済ませることをいいます。これは、取引において発生した債権や債務のうち、金銭に関するものについて、実際に金銭の受け渡し(支払い)を行って、債権や債務を解消することを指します。

一般に決済は、企業においては、日常の商取引の金銭に関わるものであり、経理部などが担当します。また、決済に関する用語には、「決済日」や「決済期間」、「未決済」、「現金決済」、「手形決済」、「決済システム」など様々なものがあります。

<決済の用例>

・貿易取引は、国内取引と違い、決済まで時間がかかる
・契約書では、昨年の12月末で決済を行うことになっている
・クレジットカード決済、電子マネー決済、スマホ決済にすべて対応している

決裁の意味

決裁は、権限を持っている上位者が部下の提出した案の可否を決めることをいいます。これは、部下が提出した企画書や提案書、稟議書、精算書などを、権限のある上司が内容を判断して可否を決定するもので、時にはダメ出しをすることもあります。

一般に決裁は、決裁権を持つ意志決定者(役職者)が最終的な責任をとる仕組みであり、また決済の対象範囲は、役職者の業務内容や職位などによって変わってきます。(企業経営に関わる案件は、経営会議や取締役会などの承認をもって決裁完了とされる)

なお、重要事項の決裁については、決済日と最終決裁者の署名捺印または電子証明が付与された「決裁書」が発行される場合もあり、これは監査法人等に対する証拠となります。

<決裁の用例>

・社長の決裁を仰ぎ、OKが出ればすぐに商品開発に着手できる
・中堅になっても部下がいないから、決裁や根回し、調整で自ら走り回る
・この案件は、稟議・決裁、取締役会への報告・承認等の社内手続が当然必要である

決済と決裁の違い

最後に「決済」と「決裁」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。

◎「決済」は代金や証券の受け渡しによって売買取引を済ませることであるのに対して、「決裁」は権限をもった責任者が事柄の可否を決めることをいう。

◎「決済」は商取引における金銭に関するものであるのに対して、「決裁」は組織内における意思決定に関するものである。

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