基準と標準と水準の違い

ビジネスにおいても、プライベートにおいても、「基準を設ける」や「基準値」、「標準となる」、「標準設定」、「水準にある」、「高水準」といった言い回しを耳にすることがあります。これらの中に出てくる「基準」や「標準」、「水準」は、何らかの評価・比較の拠り所となるものという点では共通しますが、一方でどこが違うのでしょうか?

ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「基準と標準と水準の違い」について、簡単にまとめてみました。

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基準の意味と用法

基準(きじゅん)は、物事の基礎となる拠り所や満たさねばならない一定の要件をいいます。これは、根拠となるものを意味する「基(き)」と、物事をはかる拠り所を意味する「準(じゅん)」からなる用語で、また日常的には、評価基準や世界基準、会計基準、審査基準、判断基準、耐震基準、基準違反、基準値、基準年など複合語でもよく用いられます。

<基準の用例>

・この成績では横綱昇進の基準が甘いのではないか
・行政が定めている基準を満たすと労災に認定される
・販売や提供について罰則付きの厳しい基準を設けた

標準の意味と用法

標準(ひょうじゅん)は、判断や行動などの拠り所となるもの、平均的であることやその度合い・数値をいいます。これは、目じるしを意味する「標(ひょう)」と、物事をはかる拠り所を意味する「準(じゅん)」からなる用語で、また日常的には、世界標準や課税標準、標準記録、標準装備、標準体重、標準税率、標準値など複合語でもよく用いられます。

<標準の用例>

・世界的な標準に照らして少なすぎる
・週当たりの授業時間を標準より増やす
・ようやく標準に近い条件でテストができた

水準の意味と用法

水準(すいじゅん)は、事物の価値や機能などの一定の標準、世間で認められている基準、水面の位置、高低・水平の度合いを測る道具をいいます。これは、水平または水平をあらわす線を意味する「水(すい)」と、物事をはかる拠り所を意味する「準(じゅん)」からなる用語で、また日常的には、給与水準や金利水準、生活水準、教育水準、最高水準、低水準など複合語でもよく用いられます。

<水準の用例>

・目標の水準に遠く及ばなかった
・徐々に水準を切り下げるとの見方も根強い
・雇用の伸びは堅調で、失業率は低い水準が続いた

基準と標準と水準の違い

最後に「基準」と「標準」と「水準」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。

・基準:物事の基礎となる拠り所、満たすべき一定の要件
・標準:判断や行動などの拠り所、平均的な度合い
・水準:事物の価値や機能などの一定の標準

◎「基準」は、物事の基礎となる拠り所や満たすべき一定の要件をいうのに対して、「標準」は、判断や行動などの拠り所や平均的な度合い(最も普通のタイプ)をいう。

◎「基準」は、英語では「standard(スタンダード)」と言うのに対して、「水準」は、英語では「level(レベル)」と言う。また、「基準を設ける」とは言うが、「水準を設ける」とは言わず、これより「基準」は作るもの、「水準」は作るものではない(出来るもの)とも言える。

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