固定観念と固定概念と既成概念の違い

ビジネスにおいても、プライベートにおいても、「固定観念を覆す」や「固定概念を打ち破る」、「既成概念にとらわれない」といった言葉を耳にすることがあります。これらは、固定と既成、観念と概念の組み合せで作られており、似たような感じがしますが、一方でどこが違うのでしょうか?

ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「固定観念と固定概念と既成概念の違い」について、簡単にまとめてみました。

固定観念の意味

固定観念(こていかんねん)は、「固着観念」とも呼ばれ、人の心中に潜在して、いつも頭から離れず、他人の意見や状況の変化によっても変革することが困難な考えをいいます。これは、一定していて変化しないことをいう「固定」と、物事の概括的な意味内容をいう「概念」からなる用語で、通常、その人の思考を拘束するような考えであり、誰にでも存在し、一人ひとり異なっています。

<固定観念の用例>

・食事は一日3回食べるという固定観念を捨てる
・固定観念にとらわれず、広い視野を持つことが大切である
・未だに家事は女性がするものだという固定観念を持つ男性は多い

固定概念の意味

固定概念(こていがいねん)は、辞書に掲載されている言葉ではなく、多くの場合、「固定観念」の意味で使われているものです。これは、一定していて変化しないことをいう「固定」と、物事の概括的な意味内容をいう「概念」からなる用語で、文字通りの解釈なら、変化しない物事の意味内容となり、かなり変な言葉であることが分かります。

現在、検索エンジンで調べても分かるように、「固定概念」という言葉は普通に使われており、誤用と知った上で「固定概念=固定観念」と認識しておくとよいでしょう。なお、人によっては、固定概念=既成概念の意味で使っている場合もあり、実際は文脈で判断するのがよいでしょう。

<固定概念の用例>

・女性は家庭に入るべきとの固定概念が強かった時代
・今までの固定概念を壊し、新しいビジネスを作り出す
・芸能だけが特殊な世界という固定概念が崩れ始めている

既成概念の意味

既成概念(きせいがいねん)は、広く社会で認められ、通用している事柄をいいます。これは、すでにできあがっていることをいう「既成」と、物事の概括的な意味内容をいう「概念」からなる用語で、通常、世の中で広く認知されている常識を指し、正しいか否かは別として、社会の中で自然に形成されたものとなっています。

<既成概念の用例>

・既成概念に囚われない独自のスタイルを確立する
・業界の既成概念を打ち破る画期的な取り組みとなった
・ファッションレンタルは「洋服は買うもの」という既成概念を打ち破ったものだ

固定観念と固定概念と既成概念の違い

最後に「固定観念」と「固定概念」と「既成概念」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。

・固定観念:その人の思考を拘束するような考え
・固定概念:大半は「固定観念」の誤用
・既成概念:広く社会で認められ、通用している事柄

◎「固定観念」と「既成概念」は、辞書に掲載されている言葉であるが、「固定概念」は辞書に掲載されていない言葉(本来存在しなかった言葉)である。

◎「固定観念」は、個人の中で形成されたものなのに対して、既成概念は、社会の中で形成されたものである。それゆえ、「固定観念」は、一人ひとり異なるが、既成概念は、共通のものとして存在する。

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