特長と特徴と特色と特質と特性の違い

日常生活において、「製品の特長」や「食感が特徴」、「特色のある学校」、「優れた特質」、「地域の特性」といった言い回しを耳にすることがあります。これらの中に出てくる「特長」や「特徴」、「特色」、「特質」、「特性」は、どれも「特(とく)」が付き、似たような感じがしますが、一方でどこが違うのでしょうか?

ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「特長と特徴と特色と特質と特性の違い」について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

特長の意味と用法

特長(とくちょう)は、他よりも特に優れている点や特別の長所をいいます。これは、それだけ目立って著しいさまを意味する「特(とく)」と、優れたところを意味する「長(ちょう)」からなる用語で、通常、他より優れている点を表す場合に用いられます。

<特長の用例>

・やさしくまろやかな味わいが特長である
・自分のプレーの特長は攻撃面でのスピードとテクニック
・豊かな自然環境と少人数の特長を生かした教育活動を推進

特徴の意味と用法

特徴(とくちょう)は、他のものと比べて、とりわけちがって目立つ点をいいます。これは、それだけ目立って著しいさまを意味する「特(とく)」と、しるしやきざしを意味する「徴(ちょう)」からなる用語で、通常、そのものが持っている、他と違って目立つ点を表す場合に用いられます。

<特徴の用例>

・フラットに構えるスイングに特徴がある
・カスタム仕様には、どのような特徴があるのでしょうか
・ともに攻撃に特徴のある両チームの対戦は、スタンドを沸かせた

特色の意味と用法

特色(とくしょく)は、他と特に異なっているところや他のものと比べて優れている点をいいます。これは、それだけ目立って著しいさまを意味する「特(とく)」と、ものの様子を意味する「色(しょく)」からなる用語で、通常、他と異なっている点を表す場合に用いるほか、他と比べて優れている点を表す場合にも用いられます。

<特色の用例>

・地域の特色を生かした特産品の開発
・ステージごとに特色を出すようにしている
・それぞれの地域に合った特色のある産業政策が求められる

特質の意味と用法

特質(とくしつ)は、そのものだけが持っている特別の性質をいいます。これは、それだけ目立って著しいさまを意味する「特(とく)」と、ものを成り立たせている中身を意味する「質(しつ)」からなる用語で、通常、事物の能力や適性、性質、性能、特徴といった面について、その特別の性質自体に意味の中心がある場合に用いることが多いです。

<特質の用例>

・市街地コースの特質もあるが、非常に高速だ
・彼はチームの特質を少しずつ理解し始めている
・硬くて重く、耐久性に優れるという特質を備えている

特性の意味と用法

特性(とくせい)は、そのものだけが持つ性質や特有の優れた性質をいいます。これは、それだけ目立って著しいさまを意味する「特(とく)」と、物事に備わった性質を意味する「性(せい)」からなる用語で、通常、事物の能力や適性、性質、性能、特徴といった面について、その特別の性質から生ずる結果に対して言及する場合に用いることが多いです。

<特性の用例>

・地域の特性をリサーチするところから始めた
・クルマの特性から言って、このコースでは苦戦するだろう
・両素材の持つ特性を最大限に活かし、バランス良く活用する

特長と特徴と特色と特質と特性の違い

最後に「特長」と「特徴」と「特色」と「特質」と「特性」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。

・特長:他よりも特に優れている点
・特徴:他と比べて特に目立つ点
・特色:他と特に異なっているところ、優れている点
・特質:そのものだけが持つ性質
・特性:そのものだけが持つ性質、特有の優れた性質

◎「特長」と「特徴」と「特色」は、ともに他と異って目立つ点という意味で用いられるが、それぞれで違いがある。「特長」が他より優れている点を表すのに対して、「特徴」は他と違って目立つ点を表し、そのことの良し悪しには関係ない。また、特色は、他と異なっている点を表すほか、他と比べて優れている点も表す(特色=特長+特徴)。

◎「特質」と「特性」は、ともに対象となる事物の能力や適性、性質、性能、特徴といった面について用いられるが、それぞれで違いがある。「特質」が、その特別の性質自体に意味の中心が置かれて用いられるのに対して、「特性」は、その特別の性質から生ずる結果に言及する過程で用いられることが多い。

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