関心と感心と歓心の違い

日常生活において、「関心がある」や「感心する」、「歓心を買う」といった言い回しを耳にすることがあります。これらの中に出てくる「関心」や「感心」、「歓心」は、どれも「かんしん」と読む同音異義語ですが、それぞれの正しい意味をご存知ですか?

ここでは、普段、何気に使っている同音異義語の「関心」や「感心」、「歓心」について、その意味や用法、違いを簡単にまとめてみました。

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関心の意味と用法

関心は、ある物事に特に心を引かれ、注意を向けることをいいます。これは、つながりを持つやかかわるを意味する「関(かん)」と、こころや精神を意味する「心(しん)」からなる用語で、通常、理性面から何かの事象に興味を持った場合や、感情面から人・動物等に興味を持った場合などに用いられることが多いです。

<関心の用例>

・最近の若者は、政治に全く関心がない
・どの球団が何位で指名するのか関心の的になっている
・起業に関心のある人は多いが、実際に起業する人は少ない

感心の意味と用法

感心は、優れたものとして、深く感じて心を動かされることをいいます。これは、外部の物に触れて心が動くを意味する「感(かん)」と、こころや精神を意味する「心(しん)」からなる用語で、通常、誰かの立派な行為や優れた技量・制作物などに感情面が動かされた場合に用いられることが多いです。なお、本用語は、逆説的に用いられた場合、あきれることやびっくりすることを意味します。

<感心の用例>

・彼女の勇気と行動力に感心する
・君のあまりの馬鹿さかげんに感心するよ
・メンバーは「大人だなあ」と感心しきっていた

歓心の意味と用法

歓心は、人の心を喜ばせることや嬉しく思う心をいいます。これは、楽しみよろこぶを意味する「歓(かん)」と、こころや精神を意味する「心(しん)」からなる用語で、日常的には、人の気に入るようにつとめることをいう「歓心を買う」という句で用いられることも多いです。

<歓心の用例>

・選挙に勝つためには、国民の歓心を買う政策が必要である
・国民の歓心を買おうと、聞き心地の良い言葉ばかりを並べる
・対抗する政治勢力を批判して有権者の支持・歓心を得ようとする

関心と感心と歓心の違い

最後に「関心」と「感心」と「歓心」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。

・関心:注意を向けること
・感心:深く感じて心を動かされること
・歓心:人の心を喜ばせること

◎「関心」は、興味がある場合に用いるのに対して、「感心」は、心を動かされた場合に用いる。また、「歓心」は、相手の心に働きかける場合に用いる。

◎「関心」は、関心がある、関心を持つ、関心を抱くというように用いるのに対して、「感心」は、感心する、感心した、感心しないというように用いる。また、「歓心」は、感心を買う、歓心を得るというように用いる。

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