主催と共催と主管と後援と協賛と協力の違い

スポーツ大会や美術展、展示会、コンサートなどのイベントにおいて、主催や共催、主管、後援、協賛、協力といった言葉を見かけることがあります。どれもイベントに関わっている人や団体、機関ですが、それぞれの役割(意味)をご存知でしょうか?

ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「主催と共催と主管と後援と協賛と協力の違い」について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

主催の意味

主催(しゅさい)は、中心となって会合や行事、催しなどを行うこと、およびそれに携わる人や団体、機関のことをいいます。これは、イベントにおいては、中心となってイベントの企画・運営を行う人や企業、団体、行政、機関などを指し、通常、トラブルや事故などが発生した際には責任を負うことになります。

なお、主催の同音異義語に「主宰」がありますが、主宰は、人々の上に立って全体をまとめることであり、意味が全く異なります。

<主催の用例>

・○○花火大会(○○観光推進協議会主催)
・旅行会社が主催する観戦ツアーに申込んだ
・オリンピック組織委員会が主催するテストイベント

共催の意味

共催(きょうさい)は、二つ以上の団体が共同で一つの催しを行うことをいいます。これは、主催とは異なり、一つの団体の運営ではない場合に用いられ、また主催と同様、トラブルや事故などが発生した際には責任を負うことになります。

例えば、高校野球の甲子園大会では、春の甲子園が日本高等学校野球連盟と毎日新聞の共催となっているのに対して、夏の甲子園は日本高等学校野球連盟と朝日新聞の共催となっています。

主管の意味

主管(しゅかん)は、ある物事を主となって管轄・管理することをいいます。これは、イベントにおいては、実際の運営実務を担う、主催者に運営を委託されている管理者を指し、また主催と同様、トラブルや事故などが発生した際には責任を負うことになります。

例えば、日本最大のマラソン大会である「東京マラソン」では、主催が一般財団法人東京マラソン財団なのに対して、主管は公益財団法人東京陸上競技協会となっています。

後援の意味

後援(こうえん)は、後ろ盾となって、うまく物事が運ぶように手助けすることをいいます。これは、イベントにおいては、金銭や人的な援助はほとんどなく、後ろ盾となって、社会的な信用を高めたり、広報活動等で支援したりするもので、通常、政府機関や地方公共団体、報道機関など、公共性が高い団体が担当することが多いです。

協賛の意味

協賛(きょうさん)は、何らかの趣旨に賛成し、その実行を助けることをいいます。これは、イベントにおいては、開催されるイベントの趣旨に賛同し、主に金銭的な支援(協賛金)を提供するほか、人や物、サービスなどの提供もするスポンサーを指します。また、特に貢献度の大きい協賛を「特別協賛」と呼び、その企業名や団体名をイベント名に冠する場合もあります。

一般にイベントは、多くの人が集まるため、協賛する側としては、コストが発生するものの、イメージや知名度の向上が見込めるというメリットがあります。

協力の意味

協力(きょうりょく)は、ある目的に向かって、力を合わせることをいいます。これは、イベントにおいては、金銭的な援助を行う場合もありますが、協賛とは違い、それほど多額ではなく、通常、場所や物品などの提供で、イベント運営のための特定の役割を担うことが主となっています。また、協賛と同様、特に貢献度の大きい協力を「特別協力」と呼び、区別する場合もあります。

例えば、高校野球の甲子園大会(春・夏)では、場所を提供する、阪神甲子園球場が特別協力となっています。

主催と共催と主管と後援と協賛と協力の違い

最後に「主催」と「共催」と「主管」と「後援」と「協賛」と「協力」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。

・主催:イベントの企画・運営を行う
・共催:二つ以上の団体が共同で主催
・主管:主催者から委託されて運営実務を担う
・後援:後ろ盾となって支援を行う
・協賛:お金や人、物、サービスなどを提供する
・協力:イベント運営のための特定の役割を担う

◎イベントにおける、主催と共催と主管と後援と協賛と協力の意味は、おおよそ上記のような内容であるが、統一的な定義はない。なお、イベントに協力する方は、各々の内容が明確でないと対応できないため、主催者がしっかりとしたイベントでは、規定等により定義されていることが多い。

◎イベントの開催において、関係者の名称を掲載する場合、主催、主管、後援、特別協賛、協賛、特別協力、協力の順であることが多い(主管は後援の後に来ることもあり)。また、複数いる場合は、貢献度などを考慮した順にすることが多い。

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