「褒める」と「誉める」の違い

人とのコミュニケーションにおいて、特に人を育成する場合には、「ほめる」ことも重要と言われています。この「ほめる」を表記する漢字には、「褒める」と「誉める」の二つがありますが、どこがどう違うのでしょうか?

ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「褒めると誉めるの違い」について、簡単にまとめてみました。

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「褒める」の意味と用法

褒めるの「褒」は、良い行いへの報いを指し、その複合語には、「褒美」や「褒賞」、「褒章」などがあります。これより、「褒める」は、 ある人のしたことや行いを優れていると評価し、その旨を言うことをいいます。

一般に「褒める」は、自分が相手に対して、良いと思ったことに対して用いるため、日常的に広い意味で使うことができます。なお、本用語は、どちらかと言うと、上から目線で「評価する」という趣きがあるので、目上の人に対して使ってはいけません。

<褒めるの用例>

・叱るところは叱って、褒めるところは褒める
・その抜群のスタイルを褒めるコメントで溢れていた
・良い所を褒めるなどして自信を持たせるようにしている

「誉める」の意味と用法

誉めるの「誉」は、多くの人から良い評判を得たり、もてはやされたりすることを指し、その複合語には、「称誉」や「栄誉」、「名誉」などがあります。これより、「誉める」は、ある人が持つ高い能力や実際に成し遂げた偉業などについて、ほめたたえることをいいます。

一般に「誉める」は、社会的に何らかの高い評価を受けたり(受賞したり)、何らかの偉業を成し遂げたりした時に用いられるため、目上の人に対しても使うことができます(通常は、目上の人に対しては、失礼のない別の表現を使うことが多い)。なお、「誉める」は、常用漢字外表記となっています。

<誉めるの用例>

・厳しい状況の中、優勝した彼女を誉めたたえた
・受賞した教え子を誉める共に、心から誇りに思った
・多くの方からお誉めの言葉を頂き、ありがとうございました

「褒める」と「誉める」の違い

最後に「褒める」と「誉める」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。

・褒める:優れていると評価し、その旨を言うこと
・誉める:受賞や偉業などをほめたたえること

◎「褒める」は常用漢字表記なのに対して、「誉める」は常用漢字外表記である。

◎「褒める」は自分の主観で良いと評価して広く使えるのに対して、「誉める」は社会的な評価に対して用いられるものであり、滅多に使えない。

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