小計と合計と総計と累計の違い

ビジネスシーンにおいて、売上管理や損益管理などを行う際に、数値の集計(データを集めて計算すること)を行います。その際に、会計ソフトとは別に、エクセルなどのスプレッドシートを使って小計や合計、総計、累計などを求めることがありますが、これらの用語を正しく使えていますでしょうか?

ここでは、表計算でよく使われる概念である、「小計」や「合計」、「総計」、「累計」について、下記の事例を参考にしながら、その意味や違いを簡単に説明してみたいと思います。

<事例:青果物店の売上管理>

野菜と果物を販売する青果物店で、商品毎と期間毎の売上管理を行う。

●商品毎の売上管理(日別)

・野菜(キャベツ、レタス、トマト)
・果物(リンゴ、ミカン、バナナ)

●期間毎の売上管理(12月決算)

・日別売上高
・月別売上高
・年間売上高

●毎月の進捗率管理

・累計額(円)、進捗率(%)

目次:コンテンツ構成

「小計」の意味

小計(しょうけい)は、全体の中のある部分を足し合わせることやその数値をいいます。これは、数値の集計に際して、最も小さなものであり、上記の事例において、「各商品毎(1日)」と「期間別(1日)」の売上高の小計を求めると以下のようになります。

●各商品毎(1日)の売上高の小計

・キャベツの小計=キャベツの1日の売上高
・レタスの小計=レタスの1日の売上高
・トマトの小計=トマトの1日の売上高
・リンゴの小計=リンゴの1日の売上高
・ミカンの小計=ミカンの1日の売上高
・バナナの小計=バナナの1日の売上高

●期間別(1日)の売上高の小計

日別売上高の小計=その日に売れた全ての商品の単価の総和

「合計」の意味

合計(ごうけい)は、算数において、二つ以上の数値を合わせまとめること、およびそのようにして出した数値をいいます。これは、数値の集計に際しては、総計と小計の中間に位置するものであり、上記の事例において、「商品種別(1日)」と「期間別(月)」の売上高の合計を求めると以下のようになります。

●商品種別(1日)の売上高の合計

野菜の合計=キャベツ小計+レタス小計+トマト小計
果物の合計=リンゴ小計+ミカン小計+バナナ小計

●期間別(月)の売上高の合計

月別売上高の合計=1日から末日までの日別売上高の小計の総和

「総計」の意味

総計(そうけい)は、全体をひっくるめて計算すること、およびそのようにして出した数値をいいます。これは、数値の集計に際しては、最も大きなものであり、上記の事例において、「商品全体(1日)」と「期間別(年)」の売上高の総計を求めると以下のようになります。

●商品全体(1日)の売上高の総計

青果物の総計=野菜合計+果物合計

●期間別(年)の売上高の総計

年間売上高の総計=1月から12月までの月別売上高の合計の総和

「累計」の意味

累計(るいけい)は、小計した数をさらに順次加算すること、およびそれらの合計数をいいます。これは、小計や合計、総計とは概念が異なり、例えば、月間売上目標や年間売上目標を設定し、毎日の売上高や毎月の売上高を累計し、進捗率(=累計額/目標額)を算出して、進捗度合を見る場合などに活用されます。

上記の事例において、「月間売上高の進捗度合(6月)」を求めると以下のようになります(月間売上目標は300万円に設定)。

・6月1日:売上10万、累計10万、進捗率3.3%
・6月2日:売上8万、累計18万、進捗率6%
・6月3日:売上12万、累計30万、進捗率10%
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・6月10日:売上11万、累計111万、進捗率37%
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・6月20日:売上7万、累計189万、進捗率63%
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・6月30日:売上12万、累計303万、進捗率101%

「小計」と「合計」と「総計」と「累計」の違い

最後に「小計」と「合計」と「総計」と「累計」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。

・小計:全体の中のある部分の足し合わせ
・合計:小計の足し合わせ、数え合わせること
・総計:合計の足し合わせ
・累計:小計を順次加えて合計を出したもの

◎計算する単位は「小計」「合計」「総計」の順で大きくなる。

◎「累計」は小計を順次足していったもので、概念が異なる。

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