復旧と復元と復興と修理と修繕と修復の違い

日常生活の中で、「システム障害が復旧する」、「地域の復興を目指す」、「クルマを修理する」といった言い回しを耳にすることがあります。これらの中には、「復(ふく)」や「修(しゅう)」が入る「復旧」や「復興」、「修理」といった用語があり、どれも何らかの状態に戻すといった意味合いがあります。

ここでは、似たような意味合いがする、「復旧」や「復元」、「復興」、「修理」、「修繕」、「修復」について、その意味や用法、違いを簡単にまとめてみました。

復旧の意味と用法

復旧(ふっきゅう)は、壊れたり・傷んだり・乱れたりしたものを元の状態にすることや、元の状態に戻ることをいいます。これは、元の状態に戻す・戻るを意味する「復(ふく)」と、以前の状態を意味する「旧(きゅう)」からなる用語で、通常、以前の状態に戻したり・戻る際に使われます。

例えば、道路や水道、電気、ガス、線路、橋、システム、サプライチェーン、製造装置、大規模機械、ダイヤ(鉄道・飛行機等)など、社会や産業に影響のある大規模なものに対して用いられることが多いです。

復元の意味と用法

復元(ふくげん)は、元の形態や位置に戻すこと、戻ることをいいます。これは、元の状態に戻す・戻るを意味する「復(ふく)」と、物事のもと・根本を意味する「元(げん)」からなる用語で、通常、元(本来)の姿を回復させる際に使われます。

例えば、城・寺・神社・遺跡等の文化財、恐竜・古代生物の骨格、古い街並み、パソコン・スマホ・サーバ等のデジタルデータ、映画のフィルムなどに用いられることが多いです。

復興の意味と用法

復興(ふっこう)は、一度衰えたものが再び盛んになることや、盛んにすることをいいます。これは、元の状態に戻す・戻るを意味する「復(ふく)」と、勢いが盛んになるを意味する「興(こう)」からなる用語で、通常、何らかの事情で衰えたものが再び活気や勢いを取り戻す際に使われます。

例えば、戦争・紛争等の人的災害や、地震・津波・台風・豪雨等の自然災害での地域や建物、施設などに対して用いられるほか、一度衰えた文化や経済などに対しても用いられます。

修理の意味と用法

修理(しゅうり)は、壊れたり・傷んだりした部分をつくろって直すことをいいます。これは、手を加えて直すを意味する「修(しゅう)」と、きちんと整えるを意味する「理(り)」からなる用語で、通常、何らかの要因で壊れたものに対して、少人数の作業で、元通りの機能を復活させる際に使われます。

例えば、クルマやバイク、自転車、屋根、外壁、アンテナ、家電、パソコン、スマホ、時計、楽器、家具、洋服などに用いられることが多いです。

修繕の意味と用法

修繕(しゅうぜん)は、壊れたり・悪くなったりしたところを繕い直すことをいいます。これは、手を加えて直すを意味する「修(しゅう)」と、破れた所などを直すを意味する「繕(ぜん)」からなる用語で、通常、「修理」とほぼ同義に使われますが、一方で使用可能な程度の機能に戻すという意味合いで使われることもあります。

例えば、マンションやアパート、家、校舎、競技場、プール、水回り、フェンス、堤防、夫婦関係などに用いられることが多いです。

修復の意味と用法

修復(しゅうふく)は、「修覆」とも表記され、破損した箇所を作り直すことをいいます。これは、手を加えて直すを意味する「修(しゅう)」と、元の状態に戻るを意味する「復(ふく)」からなる用語で、通常、何らかの対象(モノ・関係等)を元通りの姿に戻す際に使われます。

例えば、歴史的建造物や重要な建物、絵画、彫刻、遺伝子、臓器、患部、歯、人間関係、国家関係などに用いられることが多いです。

復旧と復元と復興と修理と修繕と修復の違い

最後に「復旧」と「復元」と「復興」と「修理」と「修繕」と「修復」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。

・復旧:元の状態にする
・復元:元の形態や位置に戻す
・復興:一度衰えたものが再び盛んになる
・修理:壊れたり傷んだりした部分をつくろって直す
・修繕:壊れたり悪くなったりしたところを繕い直す
・修復:破損した箇所を作り直す

◎「復旧」は、以前の状態に戻す・戻る場合に使われるのに対して、「復元」は、元(本来)の姿を回復させる際に使われる。「復興」は、衰えたものが再び活気や勢いを取り戻す際に使われる。

◎「修理」と「修繕」は、つくろって直すという意味では、同義に用いられるが、一方で「修繕」は使用可能な程度の機能に戻すという意味合いで使われることも多い。

◎「修復」は、「修理」と「修繕」とは意味が全く異なり、何らかの対象(モノ・関係等)を元通りの姿に戻す際に使われる。

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