開放と解放と快方の違い

日常生活の中で、「市場を開放する」や「潜在能力を解放する」、「快方に向かう」といった言い回しを耳にすることがあります。これらの中に出てくる「開放」と「解放」と「快方」は、どれも「かいほう」と読む用語ですが、一方でどこが違うのでしょうか? また、漢字で書く場合には迷うこともあるのではないでしょうか?

ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「開放と解放と快方の違い」について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

開放の意味と用法

開放は、門や戸、窓などをあけはなすこと、制限をなくして自由に出入りさせることをいいます。これは、閉じているものや塞がっているものをあけ放つことを意味する「開(かい)」と、束縛を解いて自由にすることを意味する「放(ほう)」からなる用語で、日常的には、物理的な制約をなくす場合に使われることが多いです。また、開放の反対語は、「閉鎖(へいさ)」になります。

<開放の用例>

・ショールームを開かれたスペースとして開放する
・市場を開放し、海外から直接投資を呼び込む必要がある
・天候が急変した場合、公共施設を避難所として開放する予定

解放の意味と用法

解放は、体や心など、束縛されたり、制限されたりしているものをときはなして自由にすることをいいます。これは、役目や束縛から解き放すことを意味する「解(かい)」と、束縛を解いて自由にすることを意味する「放(ほう)」からなる用語で、日常的には、心身等の束縛を解いて自由にする場合に使われることが多いです。

<解放の用例>

・非効率な仕事から人材を解放する必要がある
・緩和ケアによって、痛みや苦しみから解放された
・プレッシャーから解放され、ストレスがなくなった気がする

快方の意味と用法

快方は、病気や怪我(傷)などが段々と良くなってくることをいいます。これは、病気が良くなることを意味する「快(かい)」と、起点から上下左右等に向かう直線の向きを意味する「方(ほう)」からなる用語で、日常的には、健康面等で改善に向かう場合に使われることが多いです。

<快方の用例>

・ケガで痛めた右足が快方に向かっている
・退院時期は未定ながら容体は快方に向かっている
・症状を訴えた全員が快方に向かい、入院の必要はない

開放と解放と快方の違い

最後に「開放」と「解放」と「快方」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。

・開放:あけはなすこと
・解放:ときはなして自由にすること
・快方:段々と良くなってくること

◎「開放」が物理的な制約をなくす場合に使われることが多いのに対して、「解放」は心身の束縛を解いて自由にする(なる)場合に使われることが多い。

◎「快方」は、「開放」と「解放」とは意味が大きく異なり、病気や傷などが段々と良くなってくることをいう。

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