使用と利用と活用の違い

ビジネスやプライベートにおいて、「会議室を使用する」や「電車を利用する」、「学んだ知識を活用する」といった言い回しを聞くことがあります。これらの中に出てくる「使用」と「利用」と「活用」は、どれも似たような意味合いがしますが、一方でどこが違うのでしょうか?

ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「使用と利用と活用の違い」について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

使用の意味と用法

使用(しよう)は、物や人などを使うことをいいます。これは、つかうや用いるを意味する「使(し)」と、使うやもちいるを意味する「用(よう)」からなる用語で、通常、ヒトやモノ、サービス、システム、場所などを特定の目的のために使う場合に用いられます。また、使用人や使用量、使用燃料、使用可能時間など複合語でも用いられます。

<使用の用例>

・両国国技館をメーン会場に使用した
・強靭なカーボン複合素材を使用している
・購入金額に応じて使用できる割引きクーポン

利用の意味と用法

利用(りよう)は、機能や利点を生かして用いること、自分の利益になるようにうまく使うことをいいます。これは、物事が都合よく運ぶを意味する「利(り)」と、使うやもちいるを意味する「用(よう)」からなる用語で、通常、本来の機能や性能などを生かして使う(役立つようにうまく用いる)場合や、自分の利益になるような場合に用いられます。また、利用方法や利用可能、利用状況、利用料、再利用など複合語でも用いられます。

<利用の用例>

・出張の際に格安航空会社を利用する
・独占的な地位を利用して競争を阻害している
・クラウド経由でオンデマンドに利用できるサービス

活用の意味と用法

活用(かつよう)は、物や人などの機能・能力を十分に生かして用いることをいいます。これは、 動きを殺さないで役立てることを意味する「活(かつ)」と、使うやもちいるを意味する「用(よう)」からなる用語で、通常、モノやヒト、サービス、システム、場所などを効果的に使う場合に用いられます。また、活用方法や活用アイデア、有効活用、土地活用など複合語でも用いられます。

<活用の用例>

・ため池を憩いの場として活用する
・毎日の料理で電子レンジを上手に活用する
・ロボットやドローンなど最新技術を活用したスマート農業

使用と利用と活用の違い

最後に「使用」と「利用」と「活用」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。

・使用:物や人などを使うこと
・利用:機能や利点を生かして使うこと
・活用:機能や能力を十分に生かして使うこと

◎「使用」は特定の目的のために使う場合に用いられるのに対して、「利用」は本来の特徴や機能などを生かして使う場合に用いられる。また、活用は、物や人などの機能・能力を十分に生かして使う場合に用いられる。

◎「使用」は使うが基本的な意味なのに対して、「利用」と「活用」は生かして使うというのが基本的な意味である。また、「利用」には、「地位を利用する」というように、自分の利益になるようにうまく使うという意味もある。

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