「初め」と「始め」の違い

ビジネスやプライベートにおいて、「年の初め」や「初めまして」、「事始め」、「始めます」といった言い回しを聞くことがあります。これらの中に出てくる「初め」と「始め」は、どちらも「はじめ」と読む同音語ですが、一方でどこが違うのでしょうか?

ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「初めと始めの違い」について、簡単にまとめてみました。

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「初め」の意味と用法

初めは、物事を行う最も早い時期、順序(序列)の一番先、多くの中で主となるものなどをいいます。これは、順序のニュアンスがあり、英語で言えば「first」や「early」という感じで、通常、時間や時期などが早いときのことを表す副詞的用法で使われます。

なお、本用語の意味を理解する上で、初期や初級、初歩、最初、当初といった複合語は参考になるかと思います。

<初めの用例>

・新しい職場では、初めが肝心だ
・彼の業績は初めから終わりまで偉大だった
・月の初めに一定額を電子マネーにチャージする
・初めは戸惑うかもしれないが、次第に慣れるよ

「始め」の意味と用法

始めは、はじめることやはじめた時期、物事の起こりなどをいいます。これは、開始のニュアンスがあり、英語で言えば「start」や「beginning」という感じで、通常、物事が新しく行なわれることを表す動詞的用法で使われます。

なお、本用語の意味を理解する上で、始業や開始、始祖、原始、終始といった複合語は参考になるかと思います。

<始めの用例>

・今の職場は勤め始めて5年ほど経つ
・面接で仕事の始めと終わりの時刻を確認した
・風邪のひき始めに○○を飲んだら一気に治った
・会議の始めから終わりまで退屈な近況報告しか行われなかった

「初め」と「始め」の違い

最後に「初め」と「始め」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。

・初め:最初のころ、順序の一番先、主となるもの
・始め:はじめること、物事の起こり

◎「初め」は、順序のニュアンスがあるのに対して、「始め」は、開始のニュアンスがある。

◎「初め」は、時間や時期などが早いときのことを表す副詞的用法で使われるのに対して、「始め」は、物事が新しく行なわれることを表す動詞的用法で使われる。

◎書き間違いが多いものとして、例えば、「仕事初め」ではなく「仕事始め」、「月の始め」ではなく「月の初め」、「書き始め」ではなく「書き初め」などが挙げられる。

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