「押さえる」と「抑える」の違い

ビジネスやプライベートにおいて、「要点を押さえる」や「傷口を押さえる」、「眠気を抑える」、「怒りを抑える」といった言い回しを耳にすることがあります。これらの中に出てくる「押さえる」と「抑える」は、どちらも「おさえる」と読む同音語ですが、一方でどこが違うのでしょうか?

ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「押さえると抑えるの違い」について、簡単にまとめてみました。

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「押さえる」の意味と用法

押さえるは、何かを動かないようにすること、何らかの動作や現象の実現を防ぐことをいいます。これは、日常的には、物理的に力を加えて止める、確保する、覆うといった意味合いや、重要な点を確実に認識するといった意味合いで用いられます。

<押さえるの用例>

・上司から会議室を押さえるように言われた
・メイクの際に顔全体を手のひらで覆い軽く押さえる
・市場の動揺を押さえるために、政府が緊急声明を発表した

「抑える」の意味と用法

抑えるは、何かの実現や発生を防ぐこと、こらえることをいいます。これは、物理的なものではなく、「抑止」や「抑制」などの意で、日常的には、感情や欲望、行動、行為、現象などをおさえとどめるといった意味合いで用いられます。

<抑えるの用例>

・あふれでる涙を抑えることができなかった
・災害時の被害を最小限に抑える取り組みを推進している
・中央銀行はインフレを抑える追加策を導入する方針を示した

「押さえる」と「抑える」の違い

最後に「押さえる」と「抑える」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。

◎「押さえる」は、何かを動かないようにすること、何らかの動作や現象の実現を防ぐことなどを意味するのに対して、抑えるは、何かの実現や発生を防ぐこと、こらえることをいう。

◎「押さえる」には、物理的に力を加えるという意味合いがあるのに対して、「抑える」には、物理的に力を加えるという意味合いがない。

◎「押さえる」と「抑える」をニュース検索した場合、「抑える」の方が「押さえる」より多く使われている。

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