松崎半三郎(森永製菓)

松崎半三郎(まつざきはんざぶろう)氏は、明治から昭和にかけて活躍した実業家で、森永製菓の2代目社長(1874/9/14-1961/11/4)です。貿易商社を経営していた時、創業者である森永太一郎氏と知り合い、1905年に「森永西洋菓子製造所」に入社し、1910年に「株式会社森永商店」に改組すると共に、取締役支配人となりました。

森永太一郎氏の夢と情熱に打たれて入社して以降、二人三脚で製菓事業の近代化を目指し、菓子製造の機械化に取り組んで、質の高い菓子を大量生産することに成功しました。また、販売網を組織化し、先駆的な広告や独創的な販売促進策などを打ちながら事業規模を拡大し、森永製菓を大手製菓会社へと成長させました。

松崎半三郎の基本情報

松崎半三郎氏は、1874年(明治7年)に埼玉県に生まれました。立教学院(立教大学の前身)を卒業後、貿易会社の三光商事を経て独立し、貿易商社を設立しました。経営する貿易商社では、オルガンやピアノの部品、洋菓子の原料などを輸入しており、森永西洋菓子製造所にも西洋菓子の原材料を納入していたことから、森永太一郎氏と知り合いました。

当時、森永太一郎氏は、東京の菓子屋でその名を知らない人はいないと言う程になっていましたが、一方で製菓業を近代的な産業にするという壮大な夢を実現するには、助けてくれる有能なパートナーが必要だと思っていました。そういった中で、取引を通じて知り合ったのが半三郎氏で、特に営業面を高く評価していました。

半三郎氏は、貿易商で身を立てたいと考えていたので、森永太一郎氏の入社への懇望を何度か断りましたが、ついに太一郎氏の夢と情熱に打たれ、1905年に入社しました。その際に条件として、以下の3つを提示し、太一郎氏が受け入れ、ここから二人三脚が始まりました。

1.森永さんは製造に専念し、私は営業を担当する。
2.現在のような個人商店では発展に限度があるので、なるべく早く株式会社組織にする。
3.必要な人は縁故にとらわれず、人物本位で採用する。

生没 1874年9月14日-1961年11月4日(享年87歳)
出身 埼玉県
学歴 立教学院(現:立教大学)
就職 三光商事(貿易会社)・・・卒業後
起業 貿易商社・・・退職後
盟友 森永太一郎

松崎半三郎の事業年表

松崎半三郎氏は、1905年(創業から6年目)に「森永西洋菓子製造所」に入社し、1910年に「株式会社森永商店」に改組すると共に、取締役支配人となりました。業務面では、太一郎氏が製造、半三郎氏が営業や経理などを担当し、二人三脚で製菓事業の近代化を目指しました。

近代化にあたっては、菓子製造の機械化に取り組み、質の高い菓子を大量生産することに成功しました。さらに、販売網を組織化し、先駆的な広告や独創的な販売促進キャンペーンなどを打ちながら事業規模を拡大し、森永製菓を大手製菓会社へと成長させました。また、商品面では、1914年に発売した紙サック入りミルクキャラメルの大ヒットに始まり、その後、チョコレートやビスケットなど、今に続くロングセラー商品を生み出しました。

1935年に森永太一郎氏は松崎半三郎氏に2代目社長を託し、半三郎氏は戦中戦後の厳しい時期を何とか乗り越え、1946年に太一郎氏の長男・森永太平氏に3代目社長を託しました。

30-39歳 1905年:森永西洋菓子製造所に入社
1910年:「株式会社森永商店」に改組
1912年:「森永製菓株式会社」に改称
1914年:紙サック入りミルクキャラメルを発売
40-49歳 1918年:国産ミルクチョコレートを発売
1919年:日本初の飲用ココアを発売
1920年:ドライミルクを製造開始、翌年発売
1923年:マリービスケットを発売
50-59歳 1930年:赤ちゃん専用の離乳ビスケットを発売
60-69歳 1935年:社長に就任
1942年:系列会社(4社)を合併
1943年:「森永食糧工業株式会社」に改称
70-79歳 1946年:社長を退任

松崎半三郎の人物像

松崎半三郎氏は、営業や財務、貿易、広告・宣伝など優れた実務能力を持つ実業家であると共に、森永太一郎氏と同じく、クリスチャンでした(年齢は太一郎氏より9歳下)。社内では、共同経営者という感じであり、後々、「森永の松崎か、松崎の森永か。森永は二人にして一人である」と言われたほどで、また太一郎氏は終生、半三郎氏を信頼していました。

なお、半三郎氏は、業界の発展にも貢献しており、大日本製乳協会会長や日本菓子工業組合連合会理事長などを歴任しました。

松崎半三郎の関わった「森永製菓」

森永製菓は、創業者の森永太一郎氏と実務経営者の松崎半三郎氏が西洋菓子づくりのパイオニアとして明治から昭和にかけて尽力し、100年超の歴史を誇る、大手製菓会社になっています。

現在、菓子・食品・冷菓・健康・海外の5つの事業を柱とし、少子高齢化社会に呼応した健康分野や成長分野である海外事業の拡大、さらに従来の枠を超えた新市場・新領域開拓にも取り組んでいます。また、創業以来の企業理念「おいしく、たのしく、すこやかに」を掲げ、パワーブランドカンパニーとして「世界のこどもたちに貢献できる企業」を目指しています。

会社名 森永製菓株式会社〔MORINAGA&CO.,LTD.〕
創業者 森永太一郎
創業 1899年8月15日
設立 1910年2月23日
事業内容 菓子(キャラメル・ビスケット・チョコレート等)、食品(ココア・ケーキミックス等)、冷菓(アイスクリーム等)、健康(ゼリー飲料等)の製造、仕入れ及び販売
基本理念 おいしく、たのしく、すこやかに
上場 東証1部