起業の意味を理解する

起業するということ-その意味は、人によって、それぞれ異なるかと思います。ある人は、自分の思いどおりにビジネスができる、またある人は、自分のペースで自由にお金を稼ぐことができる、またある人は、定年がなくいつまでも働くことができるなど、様々な意味(メリット)を思い浮かべるのではないでしょうか? その一方で、起業した多くの人がうまくいかずに、数年で廃業に追い込まれるという厳しい現実はあまり知られていません。

一般に起業には、メリット(リターン)だけでなく、それ以上に大きなリスクがあり、特にリスク面をよく認識しておくことが必要です。ここでは、「起業の意味」を考える際の視点として、3つほど挙げてみます。

リスクの概念について

まず1つ目として、「リスクの概念」があります。現在、起業するという"人生を大きく左右する出来事"に対して、リターン面のみに焦点が当てられ、リスク面にはほとんど触れられていません。昨今では、国や地方などの行政が起業セミナーを開くことも珍しくありませんが、起業を奨励している人が実は「失業や起業とは無縁の公務員の方」であることには十分にご注意ください。

確かに、起業には夢があり、希望があり、可能性があり、数多くの成功例があるのも事実ですが、その一方で、何十倍もの失敗例があるのも一つの大きな現実です。それゆえ、起業においては、リターンと対になるリスクについて、もっとよく認識しておくことが必要ではないでしょうか?

--->「起業のリスクについてよく認識する!」

日本独自の起業風土について

次に2つ目として、「日本独自の起業風土」があります。昨今では、起業を支援するインフラ面はかなり整ってきましたが、それ以上に大切である起業風土や起業文化がまだ十分に整っていません。

これに関して、客観的に見た場合、日本は起業の失敗者にとって非常に厳しい社会と言えます。具体的には、起業を奨励する風土はあっても、その一方で失敗は許容せず・共感せず・理解せず、再チャレンジする風土はまだできていないのが現状です。また、起業の失敗は、再就職時において、マイナス要因になることが多いです(企業社会では、失敗者と見られることが多い)。

--->「日本では失敗を許容する風土はまだできていない!」

起業目的(起業理念)について

最後に3つ目として、「起業目的(起業理念)」があります。そして、これこそが起業する上で一番重要なポイントではないかと思います。

一般に起業の目的は、人によってそれぞれ異なりますが、これがあるからこそ、どんな困難な時でも頑張れるのではないかと思います。すなわち、起業は、社会的気運が高まっているからするのではなく、本来、自分の内部から沸き上がってくるもの(起業家精神、起業目的、情熱、エネルギー・・・)を元にするのではないでしょうか?

--->「目的(理念)が起業する上での基礎となる-なぜ起業する?」