起業の前に自己分析する

起業することは、人生の一大決心です。よくベンチャーの成功者やコンサルタントの中には、「迷ったら、とりあえずやってみれば!」と言う人もいますが、とりあえずやってみて成功できる人はほんの一握りだけで、大半は失敗します。

実際のところ、起業(ビジネス)についても、スポーツや芸術などと同様、生まれつきの「才能(=商才)」がある人はいて、そういった人は、結構簡単に成功できます。しかしながら、これはほんの一握りの人だけで、普通の人が成功するには、それなりの準備と努力と覚悟が必要です。

さらに、起業してからも、時には迷い、時には不安を覚え、時には悩むことも多いかと思います。そういった時に自分自身の原点に立ち戻り、「何のために起業したのか、どうして起業したのか?」を思い出すことは、逆境を乗り切る際に大きな力となるのではないでしょうか?

ここでは、起業前の自己分析について、簡単にまとめてみました。

人生の認識について

人生は、大きく分けて、「プライベート」と「ビジネス」の2つから構成されます。そして、各々について、下記の項目をよく考えてみます。また、これらの項目は、目標を達成(実現)するための一つのヒエラルキーであり、その全体像は以下のとおりです。

・ライフ(人生)=プライベート(個人、家族)+ビジネス(事業)
・目的/理念 > 目標 > 戦略 > 戦術 > 行動 (検証-行動-実現)

目的 何のために生きているのか?
理念 大事だと思うことは?
どのように生きたいのか?
何を信条としているのか?
目標 達成したい具体的事項(短期、中長期)は?
戦略 目標を達成するためのやり方(基本方針)は?

自分自身の認識について

実際に起業するにあたって、自分自身を客観的に把握することが大切です。起業のスタート時には、いろいろな人の助けを借りることもあるかと思いますが、それでも基本はいつも「自分一人」です。それゆえ、自分は一体どういう人間であり、何が出来き何が出来ず、また何が得意で何が不得手なのかを、正しく認識することが必要です。すなわち、この正しい自己認識こそが、起業する上での第一歩であり、重要なことではないかと思います。

以下では、自分自身を認識する上で、いくつかのチェックポイントをまとめてみました。

起業家精神 アントレプレナーシップはあるか?
 -チャレンジ心、独立心、革新性・・・
コアスキル ビジネスをやっていく上での核となる部分は?
強み 優れた部分は何か?
 -企画力、営業力、マーケティング力、技術力・・・
弱み 弱点は何か?
 -経営管理力、財務経理、ITスキル・・・
専門性 これまでのビジネス経験で蓄積したものは何か?
 -専門知識、ノウハウ、独自スキル・・・
興味・関心 どのようなビジネスをしたいのか?
自分の能力とのマッチングは?
意思決定力 判断力や決断力はあるか?
自分一人で全て決められるか?
行動力 実行力はあるか?
何でも積極的に対応できるか?
精神力 精神的に打たれ強いか?
楽観主義(積極思考)かつ冷静か?
コミュニケー
ション力
自分の意思を正しく迅速に伝えられるか?
人との出会いを大切にしているか?
経営力 経営に関する基礎知識はあるか?
経営センスはあると思うか?
ネットワーク 人脈はどうか(現在と今後)?
家族の理解 家族の理解は得られるか?・・・家族の理解は大切
お金 ビジネスの資金はあるか?
無収入でどれくらいの期間耐えられるか?
時間 いつ頃起業したいか?
時間の大切さを十分に認識しているか?
健康状態 健康に自信があるか?・・・体が一番の資本